軽部武宏 / 絵本
視点はホラー、日常に潜む妖
幼少期には山ほど絵本を持ってたけど、大人になって購入したのはこれが初めてよ。
「こっそりどこかに」
軽部武宏氏の作品!全体的にモノトーンで描かれてるけど、移り行く空の色が差し色になって独特の世界観を出してるわ。
小さい頃、町の片隅にある物や木々が人の顔に見えたり、大人たちが奇妙な生き物に見えたりしなかった?子供って無垢な感性を持ってるから、闇の部分を敏感に感じ取る事が出来たのかしら・・・'こっそり'息づく者たちをあちらこちらで見かけたもの。
そんな感覚を大人になって呼び起こしてくれたのが、この作品よ!
どのページを見ても懐かしい光景ばかり。これは子供向けじゃないわ、大人に向けた絵本なのだわ!背が伸びて、社会というものに組み込まれていくうちに機能しなくなった第六感・第七感・第八感を呼び覚ますには、持ってこいの特効薬なのかもしれないわねえ。
今のピポ子にはすごーーーく必要だわ。よし、もう一回読み直してみよう・・・。
吉田光彦 / 紙芝居
レトロモダン
ピポ子のお気に入りのギャラリーで「紙芝居」が開催されると聞き、駆けつけたわ!
しかも挿し絵作家、吉田光彦先生が作画されるという事だったので、期待度アップよ。吉田先生はもともと新聞や雑誌の挿し絵を描かれていたのだけど、寺山修司の舞台のポスターを手掛けられるなど多岐にわたって活躍されているの。
レトロというと少々陳腐な表現になってしまうけど、どの作品も日本のノスタルジックさを漂わせているわ・・・そしてエロティック。水彩の作品が殆どだけど、絵の具独特の重なったにじみが全く無く、職人技とも言うべき正確さで色付けされていたの!美しすぎる〜!
お待ちかねの紙芝居のタイトルは「髑髏鬼」。都に現れ悪さをする酒呑童子を、安倍晴明の操る髑髏鬼を使って源頼光が退治するという話よ。ボール紙1枚1枚に丁寧に描かれた絵はわかりやすくて美しく、拍子木を使った昔ながらの演出は、実際の紙芝居を見た事がないピポ子にとても新鮮だったわ。
公演後、感激の余り吉田先生とお話ししたのだけど、最後に印象的な一言をお聞きしたわ。「今でこそ、僕はイラストレーターと呼ばれるのかもしれないけど、敢えて言うなら・・・挿絵作家だね。」
やはり'これだ!'というものを突き進んで来られた方は力強い。描き続けていくうちに技術は身に付いていくけど、好きであるという情熱こそ自信に結びついていくのだわ・・・。御年60歳の人生の師に諭されるピポ子でありました。