Music2009_08

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The Classical Conspiracy

以前紹介したシンフォニック系メタルバンド"キャメロット"によくゲストとして参加している赤毛の女性ヴォーカリスト”シモーネ・シモンズ”のバンド、EPICAの新譜『The Classical Conspiracy』が届いたわ。

EPICAとしてのアルバムは今迄聴いた事がなく、このLIVEアルバムが初めてなのね。とにかくボーカルのシモーネ・シモンズ嬢がとても魅力的で美しいわ。キャメロットのLIVE映像やプロモで必ず登場する彼女、レザージャケットに超ロングの赤毛をバッキングに合わせて連獅子のように振乱すお姿はセクシーで萌え萌え度120%!

その赤毛のシモーネ率いるEPICAの2CDセットのLIVEは超豪華なの。なんと40人編成のオーケストラをバックに従え、更に30人規模の合唱隊を交えてのステージは圧巻ものよ。これは2008年のミショコルツ国際オペラ祭でのLIVE収録なんだけど、CDはクラシカルセットとEPICAセットに別れていて、クラシカルセットではクラッシックの名曲や映画音楽等をEPICAがシンフォニックメタルにアレンジしてダイナミックに演奏しているのね。ドラムの2バスと生弦の切れ味の良さが爽快だわ!

EPICAセットになるといよいよシモーネ嬢が本領を発揮。オランダが母体のEPICAは2003年にデビュー、シモーネ嬢もこの頃加入したという事よ。そして彼女のプロファイルにも感心したわ!15歳の時にNightwishのサウンド、特にターヤに衝撃を受けて声楽を学ぶようになったそうなのよ。確かに、ターヤ姫もシモーネ嬢もメゾ・ソプラノね。メゾ・ソプラノってとても心地良いわ。ソプラノはどうも響きすぎて疲れるけど、ターヤ姫やシモーネ嬢の声は落着くのよね~。

しかしながら"ミス・レッド"のLIVEでの歌いっぷりは勿論素晴らしい。楽曲的にはメロディアスよりもゴシック色が強い感じでオーケストラの厚みがある分、ある種の空間を見事に作り出しているわ。ピポ子的にはこれだけのものをLIVEで出来るのがとても羨ましい~。誰もが知ってるメジャーなバンドでなくてもここまで出来るのよ(特に収支の問題)ね!

最近の欧州は、音楽に対しての取り組みと前向きさが半端ないなと思えてくるのね。独自のビジネスモデルも確立し始めたし、技術面も進化が凄まじいわ! それと比較して日本のレコーディングスタジオ現場は20年前のスタンダードが未だ継続され、デジタル化で一見効率だけは向上してるけどクリエイティブと言う観点から見れば進化は止まってるのが現状・・・残念ね。

090908.jpgピチカート・ファイブ

淡々とした作業をする時は、あまり耳に残らず程良いテンポの音があるとはかどるわ。あまりインパクトがある音だと気がそがれてしまい、作業に身が入らなくなってしまうのよね。

いくつか作業用の音源を用意しているのだけど、かつて"渋谷系"と呼ばれていた「ピチカート・ファイブ」はサクサクと作業が進むので特に絵を各作業にはうってつけよ。

普段、邦楽はあまり聴かないけど、彼らの日本人でありながら日本臭さが全く無い、絵空事のような世界で浮遊している雰囲気が良いの。ピチカートのアルバムを聴いたのは確か15年以上前・・小西康陽氏の生み出すお洒落ポップサウンドとファッション・アイコンでもある野宮真貴嬢のとてつもなく力の入っていないボーカルが心地良かった。

音をじっくり聴かせるのではなく、女の子が可愛い、きれい、楽しいと思う"欲しい"要素をふんだんに盛り込み、シャボン玉の中に封じ込めてリスナーに"割って見せる"という感じ。キャッチー、グルービー、ファンキーの3ワードを掲げ、人間臭さや体温を一切消去してビジュアルを作り込んでいるのも楽しいわ。

最近は新ボーカルに野本かりあ嬢を起用しているけど、やはりマネキンの様にマットな質感の野宮嬢あってのピチカートでは??と思ってしまう。たまには、もの凄くデコレーションされた甘いお菓子をひとつまみしようか・・そんな気分の時に是非!

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2009 8
EPICA / The Classical Conspiracy
ピチカート・ファイブ

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