Music2009_12

100109.jpgエディ・ジョブソン

Theme of Secrets

1985年にプログレファンにはたまらない1枚のアルバムが出たわ。それはエディ・ジョブソンの2ndソロアルバム「Theme of Secrets」。エディ・ジョブソンはFrank ZappaやUK等でKey&Violinで参加、ルックスも貴公子的な風貌でマニアックでコアなファンも少なくなかったわ。

このアルバムが凄いのは、当時最先端のレコーディング&シークエンスシステムだったシンクラビアだけで制作されたいう事よ。何せ当時で億単位のデジタルマシンだったから、一体何ができて、どんな録音ができるのか未知数なんですもの・・。初めて聞いた時はその衝撃に打ちのめされたのを思い出したわ。

まったくノイズのないとこから幾何学的な音階が響きはじめ、やがて音圧の嵐へと展開していく。ドップラー効果をアート的な表現にしたらこうなるのかしら?って感じよ。やがて後半のメロディアスなテーマ楽曲へと、独特な世界観へ聞く者を誘うこのアルバム・・あまりに個性が強く、先進的だったので知ってる人も少ないと思うけど、ProTools等デジタル録音全盛期の今だからこそ改めて聞きなす価値のある作品だと思うわ。

以後エディはCMや映像系の音楽を数多く手がけるようになって、しばらくバンド活動は停止したようだけど、最近UKZというキング・クリムゾン的なアプローチのミニアルバム「Radiation」をリリースして昨年は日本にも来日。この「Theme of Secrets」からも何曲か演奏されて健在ぶりを示したわ。

当時、プライベート・ミュージックといレーベルからリリース後、廃盤で入手困難だったけど、昨年リマスター版が出たので機会があったら是非聴いてみて!

-エディ・ジョブソン web-
http://www.eddiejobson.com/

091210.jpgメタリカ

Death Magnetic

2008年に発表されたMETALLICA9枚目のアルバム「Death Magnetic」はとにかく重厚で攻撃的!

そのタイトル通り、聴く者を引きつけて離さないエネルギーが満ちあふれていたわ。曲も『The End Of The Line』『All Nightmare Long』などかなり気合いの入ったタイトルばかり・・でもタイトル負けは決してしてない強力作ばかりよ。

彼らのアルバムを聴く時はいつも1曲目で音の洗礼を受けるのだけど、今回は色々な意味合いで驚いたわ。『That Was Just Your Life』と銘打たれたファーストコンタクトは、懐かしさと力強さ、そして生命の咆哮が流れ出るという感じね。例えどんな単純なリフでさえも、超クールな"鉄節"として存在させてしまうのはさすが・・!

今作は原点回帰ともいうべき初期に近い仕上がりになっていて、前作「セイントアンガー」に比べると一本勝負!という戦闘スタイルよ。

前作の方が好みではあるけど、単純であればあるほどグルーブ感を生み出すのは難しいし、ちょっとした間合いが勝負になるわ。一見、いや一聴プレイ出来るような錯覚を起こすけど、彼らのメッセージの意味合いや強さ、信頼が前提にあるから成立するのよね。

そしてジェームスのあのボーカルは無敵!説得力とセクシーさを兼ね備えたレッドボイスは健在よ。時折垣間見せるオリエンタルなメロディーラインも素晴らしい。

プロデュースに個性派として有名なリック・ルービンを起用していて劇的に音作りにも変化が見えるのが面白いかも。リックのモットーは"後世に残す作品を作る"・・「Death Magnetic」も多くのファンの記憶に鉄の楔を突き立てて欲しいわね!

Music Review

2009 12
エディ・ジョブソン / Theme of Secrets
メタリカ / Death Magnetic

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