Movie2008_09

imgc9ce7daczik5zj.jpeg「マイノリティー・レポート」

現実になった未来、誤差が導き出す真実

2002年スピルバーグ作品「マイノリティー・レポート」・・SFである事は間違いないけど、劇中で登場したアイテムがほぼ実現化しているというのは凄い!物語自体も良く出来てるけど、その点にも注目して見てみたわ。

物語は2054年のワシントンが舞台で、"犯罪予防局"の第一線で働く男が主人公なの。ここは、3人の"プリコグ"と呼ばれる予知能力者の透視した犯罪場面を映像化して解明し、事件が起こる前に殺人を防ぐという最先端のシステムが装備されてるの。たちまち犯罪率は90%減少という成果を導き出したわ。

ある日いつものように仕事をしていた男は、自分の殺人予知現場のデータを見て愕然とし追う側から追われる側になってしまう!男はやがてこの完璧なシステムに僅かな誤差を見いだし、企てられた真実を見つけ出そうとするけど・・・という内容よ。

とにかく驚いたのは、今現在iPhone等を扱う際当たり前のように行なっていた"モーションコントロール"という動作が、劇中で同じように行われてるわ!その他にも網膜認証、デジタル広告など、実際に目にしたり耳にしていた事が既に6年前のこの作品内で展開してるのよ。何という発想力かしらね。

特に興味を引かれたのは、個人に対して"追ってくる"そして"話しかけてくる"ターゲット広告!!。網膜で個人データが読み込めてしまうから、カード会社の宣伝のポスターから美女が笑顔で現れ『旅行はいかが?』と声をかけてくるし、商店では『この間お買上のタンクトップいかがでした?』なんて声がしてきちゃうの。このシステムもそう遠くない将来現れるかもしれないわね。話しかけられた照れそう・・・ドキドキ。

そんな最新のツールとは対照的に、人々が身を寄せ合い生きている貧民窟や愛嬌のあるクモ型網膜探査機など、人間の体温を感じられる部分がコミカルに描かれていて、所々でスピルバーグ節を楽しんだわ。人間はこの世界に生を授かり、ありとあらゆる知恵を使って快適に生きようと努力する。

結局どんなに世の中が様変わりしても、変わらないもの・・・それは人間の"生きようとするエネルギー"なのかもしれないわね。今から3年後くらいにホログラム宇佐子と一緒にお買い物に行けるようになったら、もう綿が出る心配をしなくても良いんだわ・・・早く商品化して下さい!

img20110233zik7zj.jpeg「ヘルボーイ」

武将・地獄小僧

「パンズラビリンス」を生み出したギレルモ・デル・トロ監督作品という事で期待してたけど、期待通り素晴らしかったわ。漫画を実写化すると、凄く満足するかがっかりするかの二極に分かれるけどこの作品は前者!相変わらず丁寧で小気味いい描写に感心させられっ放しよ。

物語は第二次大戦末期、ナチスの科学施設で世界を滅亡させる計画が密かに進められ、魔界に通じる穴から怪人ラスプーチンの手によって悪魔の子主人公ヘルボーイが産み落とされたの。でも幼い異形の赤ん坊は連合軍の教授が"ヘルボーイ"と命名し人間の子として大事に育てたの。それから60年、教授率いる超常現象調査局でヘルボーイは半魚人エイブと共に怪奇事件の解決に全力を尽していたけど・・・というお話なのよ。

原作の絵が"タンク・ガール"ばりにさっぱりしている分、実写で見ると"恰好良い"奥行きが出るから不思議~。相変わらず赤、青、金色の色合いが独特の濃度を持った"ギレルモ・カラー"の上に、幻想の世界の住人がしっかり画面に根づき納得させられてしまう。監督、脱帽です!!

でも、ヘルボーイを演じるロン・パールマンがどうしてもトム・ウェイツに見えてしまい、ピポ子にとっては強面ヒーローというより強烈な程恰好良い殿方にしか見えないのよ。原作者は日本贔屓らしく、ボーイの髪型をちょんまげに結わせてるのだけど、皮のコートや銃と良く融合されて違和感が無いのよね。

それに悪魔の申し子でありながら、好きな女性に告白出来なかったり、父親がわりの教授に甘えたり、猫を沢山飼っていたりと人間味あふれる彼の姿には母性をくすぐられっ放しなの。異形だからと恐れられたり罵られたりするボーイやエイブ達を見ていると現代社会を重ね合わせて見てしまう部分もあるけど、他人にどう思われたとしても、自分らしく素直な心で生きていく事がどれほど強いかを再認識させられたわ。

ピポ子も我が道を突き進んでいかなくては・・・!婚期を逃すとしても・・・トホホ。さぁ、第二弾は劇場で拝見しなくちゃ、大画面で"トムゥ~!!"

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2008 9
マイノリティー・レポート
ヘルボーイ

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